「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになり、仕事の選び方も変わりつつあります。働きがい、安定性、将来性、労働環境など、人それぞれ何を軸に働くのかは様々ですが、同じ時間だけ働くのであれば、より多くの給与を貰える方がモチベーションに繋がるというのはおそらく誰もが抱く本音です。では、給与が高そうな仕事を選ぶとなるとどうでしょうか。何となく医療、法律関係、金融業などが挙げられるのではないでしょうか。

しかし、米LinkedIn社が実施した約200万人のメンバー対象の調査によると、“最も給与の高い業界はIT・ソフトウェア業界、それに次いでハードウェア・ネットワーク業界”という結果がでています。この結果を少し意外に思われる方も多いのではないでしょうか。

同社の調査によると、業種別と職種別によって順位が変わります。“職種別にみると整形外科や心臓外科などの医者が依然として高収入の上位を占めていますが、業種別にみると上記のようなテクノロジー関連企業が最も高収入” となっています。数十年前まで存在していなかった業種ですが、かなりのスピードで成長しています。

専攻分野別に見てみると、コンピュータサイエンスが最も高収入となっています。産業工学やビジネスなど既存の専攻分野も上位にランクインしていますが、米国では学生のうちからコンピュータの仕組みに触れ、テック関連企業で働く人が多いことがわかります。

テック関連企業が高収入になっている理由として男女間格差があります。調査結果によると、”女性1人あたりに対する男性従業員は建設業、製造業、輸送物流業に次いでIT・ソフトウェア業界、ハードウェア・ネットワーク業界がランクイン” しています。最近では、積極的に女性を登用する企業が増え、女性エンジニアとして活躍されている方も多くいます。また、在宅ワークやテレワークなど、育児と仕事が両立できる環境も整備されており、女性にとって働きやすいのも魅力です。

LinkedInの調査結果からわかることは、日本も米国と同じように仕事の選び方が変わっていくということです。今から数年前にシリコンバレーで多くのテック関連企業が生まれて以来、日本は米国に追いつき追い越せの勢いでテック業界を発展させてきました。長らく日本の大学生の人気就職先には商社、金融業、製造業などが挙げられていますが、テック関連企業を選択肢のひとつにする学生も増えています。そして、業種がまだまだ発展途上であることから雇用が伸びていくことも見込まれています。業種全体の給与が高い事実とこれからの将来性を考え、ぜひITの魅力に興味を持っていただければと思います。

参考:給与が最も高いのはテック業界とコンピューターサイエンス専攻――LinkedIn調査

(http://jp.techcrunch.com/2017/09/04/tech-industry-and-comp-sci-majors-are-highest-earners-says-linkedin-job-survey/)